上五島 吉村歯科

柔らかい入れ歯の話

私は、10数年入れ歯作りに携わってきました。その中で患者さんからの訴えとして、
「硬い入れ歯は嫌。」
「柔らかくできないか?」
「痛い。」
との相談を受けてきました。
その度に、業者さんから新たな柔らかい材料を取り寄せたり、歯科の勉強会に出かけたり、数万円はする専門書を、それこそ百冊近く読み込んだりして、試行錯誤を重ねて来たんですね。
 
その結果、「硬い入れ歯の内面に柔らかい材料を貼る」方法にたどり着きました。
これが保険の柔らかい材料ですと、下の歯茎がかなり痩せた場合に限って、1割負担で数千円程度です。
痛くなくて、よく噛めるようになります。
 
「痛くなくなった。」
患者さんに言われると、こちらも嬉しいのです。
その代わり、柔らかくなった分、入れ歯が割れやすくなるんです。
これには困りました。
 
患者さんから喜ばれるのは嬉しいです。ただ、思い切って噛めるようになると、噛む筋肉の力が増すのです。その分、入れ歯が割れてしまいます。
 
そこで、さらにまた勉強しました。
「より割れにくい方法はないか?」
そして患者さんで、快諾して下さった方には、色んな材料で試して頂いたのです。
その結果、東京にあるバイテック・グローバル・ジャパンの「コンフォート加工」技術が、優秀だと気付かされたのです。(写真・上)
 
柔らかい材料の欠点である、割れやすさは、見えない部分の金属補強でカバーしました。また、バイテックが指定する義歯洗浄剤「クリネ」(写真・下)の使用なら、柔らかい入れ歯が5年保証となりました。入れ歯を清潔に保つ事で、高齢者に多い誤嚥性肺炎も少なくなります。

製作には1〜2か月かかりますし、手間ひまがかかっている分、値段は税込みで25万3000円となります。

果たして、この値段は高いでしょうか?
今流行りのインプラントなら、1本で40〜60万円します。3本分のブリッジなら100万円近くする事もあります。

実際に、コンフォート加工をして頂いた患者さんには、
「おこしでも、肉でもバリバリに噛めるようになった。」
とおっしゃる方もいました。
もちろん個人により差はありますし、条件も異なります。
 
実際には、保険でも使われる「ソフトライナー」でお試しして、気に入ったらコンフォート加工に進める事になります。ここまで読んで頂き、ありがとうございます。ご質問は、お気軽にどうぞ。

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